Monday, February 25, 2008

多言語

最近バイトで翻訳をやってて再認識したこと。
それは私の中で、日本語とフランス語をつなぐ何かが確実に足りない、ってこと。
それぞれの言語は話せるし、ボキャブラリーはあったとしても、
ひとつの言語からもうひとつの言語に移ることが大変・・・
単語力とかそういう問題は別問題で、
訳すときにどれだけ適切な言葉を見つけることができるか、ってこと。

たいていは、バイリンガルだ、とかいうと翻訳なんて簡単にできる、と思われがち。
でもそんなことは決してない。
翻訳家っていう職業があるんだから、ものすごい技術力がないとできないってこと。
しゃべれるんだからいいじゃないか、少し考えればできんだろ、と言われればそうかもしれない。
逆に嫌味に聞こえてしまうかもしれない。
でもここに語学の神秘性とか深みがあるんだと私は思っている。
つまり
難しいからこその神秘性。
ただただ言葉を入れ替えるだけの作業じゃない。
似ている言葉がたくさんあって、
どれを選ぶかによって文章全体の雰囲気や意味まで変わってしまうから。
自分が訳した文章を読んで、もともとの文章で受けた印象とまったく違ってしまったことなんて多々ある。

言語ができるというのは武器になるという。
武器にするためにはそれぞれの言葉をうまくつなげるようにならなきゃ意味がない。
フランス語の世界と日本語の世界がまったく別で存在している今の状態ではダメ。

せっかく言葉の世界を二つ持つことができたなら、
もっと先に行かなきゃ意味がない。
そしてそうやってふたつの間を自由に行き来できるようになるってことは
すごい特権。