Tuesday, October 27, 2009

【ベルギー幻想美術館 クノップフからデルヴォー、マグリットまで 姫路市立美術館所蔵】

印象主義ではなくて、象徴主義。
同じ時代で、同じようにアカデミズムに反発してでてきたものだけど、
私は印象派はよく見たことがあっても、象徴主義は恐らく初めてだった。

art nouveauに通じるというのは分かった気がする。
ただ、私はそこにあった象徴主義の絵にはあまり芸術的な価値を見いだせなかったなー。
あくまで私の感想ですが。
たしかにきれい、なんだけどね。

そしてその流れの最後の方という位置づけでシュルレアリズムがあった。
(詳しくないからなんともいえないんだけど、そこってひとつの流れっていう認識があるんだね?)

とにかく。
私はそこからが楽しかった。
なんせ大好きなRene Magritteの絵がけっこうあったから。

彼の絵の何がいい、って
鑑賞物(絵)としてはそこまで芸術性を感じるわけではない。
もちろん、彼の絵の特徴でもある、「物」を現実に忠実に描くこと、っていうのは非常に重要なわけなんだけど。

とにかく。
「考えさせる絵」だからすごい。

彼の絵を見ていると、
例えば学術書を読んだあとのような
まぁ、もっと言ってしまえば
アーリの社会を越える社会学の数ページを読んだあと(笑)のような
そんな刺激を脳が感じるというか・・・。

「知的な絵」。

『見えているもの』と
『見ているもの』あるいは『見ようとしているもの』とが、
同時に自分の中でごちゃごちゃしてきて、
そして何か、あ。そうだ。そういうことだ。
と感じた瞬間のすがすがしさみたいなもの。

人の認識・常識を
見えるものからくつがえすこの知的さに感動する。

こうやって絵を見たり、小説を読んだりしていたら、
やっぱり「社会科学」をやる上で「人文科学」がいよいよ不可欠だと思う。
いろんな人と話してることだけど、
社会学をやるなら芸術や文学を避けるのは無理で。
だから大学に社会学部があるなら、文学部があるべき、
あるいはせめて人文科学系の授業をしてほしい、という話にうなずきます。

*****

その後は渋谷から下北沢までのんびり歩いた。
真っ暗になる一歩手前。
下北沢で久しぶりにシーシャのお店へ。
やっぱり少し寒くなるとシーシャが最高です。