Sunday, October 25, 2009

シンポジウム

【東大・朝日シンポジウム 資本主義の将来】

感想としては、すっきりとしない感じ、かな。
学ぶところはたくさんあった。

パネリストは、岩井克人(東大経済学部)、ロバート・ジョス前学長(米スタンフォード大学経営大学院)、サスキア・サッセン(米コロンビア大学社会学部)。

私はやっぱり、サッセンのお話が聞きたくて行ったんだけど。

そもそも、お題が漠然としていたからか、三人それぞれが着地しようとしているところがバラバラだった気がした。
それぞれの話からは学ぶところがあったわけだけど。

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私は、「グローバル化」という切り口から話をするのかと思っていたのだけど、
メインの議論は、今回の金融危機が起きた原因、そして、資本主義の改善策、という点だった。

資本主義システムという構造上の問題点、つまり、倫理性とか、政府の介入度合いだとか、民主制度の見直しだとか・・・。でもこういう点はこれまでも議論され続けてきていて、新しい局面をむかえている現在の世界に対して的確な解決策を見つける糸口にはつながらない気がする。

資本主義の「将来」、つまり時間という要素を含めた観点からそれを語るなら、
もう少し時代性(グローバル化する時代)をはっきりとさせた上で、
「資本主義」とは何かを議論をして欲しかったかなー、と。

つまり、例えば、資本主義における倫理性とか、法律という概念が話では持ち出されたけど、国家主導の資本主義における倫理性や法とグローバル化した世界での倫理性や法というものには大きな違いがあるし、そもそもそれらを今後グローバルなレベルで追求できるものなのか疑問を持ってしまうところ。

それから、政治と経済が切り離せないという点はもちろん賛同するけれど、今回の議論の中での「民主主義」の定義は物足りなくて。
例えばジョス氏の提案の中では、「経済制度というのは民主的な方法で国民によって選ばれるべき」というものがあった。
もちろん、そうなんだけど、マーケットがここまで拡大した資本主義の中で、果たして人々に「選択肢」があったのか。
そして、これがまさしく「自分たちで選んだ」システムだ、という実感があるのかどうか。
この辺に大きな問題が潜んでいる気がするんだけど、そこまでは到らなかったということ。

サッセンの話が一番面白かったなー。
まぁ、単純に、私が経済に対する知識を持ってないという点と、彼女が格差の問題に関心を持ち、ポストコロニアルな視点を持った社会学者だから、私からしてみたら考え方が面白いと感じる点が大きいのだけれど。
彼女は、「私は80年代からのcapitalismに反対です」とした上で、今回のテーマに関して、「目に見えない部分に対して注意を怠ってきた」という点を指摘していた。
グローバルな視点では、「勝ち組は目に見えるけれど、じょじょに貧困に陥っていく人々は見えなくなっていく」。
これこそ今の時代の資本主義の問題点を指摘していると思う。
この視点から出発して「将来」を語ることが一番納得できるかなー、と。

それから、これは私が知識不足だからなんだけど、もし、「資本主義」をひとつの「思想」として捉えた場合、今の「金融システム」は、それを実現させる本当に唯一の手段なのかが知りたい。

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まぁ、それにしても、もう少し私は経済を勉強しなきゃ。

あと。
会場に来ていた人の平均年齢が非常に高かったことにびっくり。

シンポジウムというのは、聴講者がどんな人か、ということも重要なポイントになってくるのかな、と。