Sunday, December 20, 2009

人ごみより。

週末の新宿、六時ごろ。
来てから気づく。
あ、忘年会シーズンってやつね、って。
ものすごい人。
あまりにも多くて、文字通り、目が回る。

そんな人ごみに向かって、一人の右翼がスピーカーで吠えまくる。
ものすごい数の耳に、その声は浸透していく。
でも。誰が聞いてるのか。
通り過ぎてふと振り返って見てみる。
真っ赤な顔して吠えてる。
でもやっぱり、誰も見てない。
見てないし、反応してない。
聞いてない、聞こえてない・・・

その二歩横では伝道師。
棒の先にスピーカーつけて立っている。
『もうすぐイエスの前に立たされる日が来ます。』
人ごみの上から、声を降らせる。
棒を持つ子供のうつろな目。

熱が入りすぎて何を言ってるのか、もはやよく分からない男の声と
神を語る録音された機械的な声。
人ごみに混ざっていく。

自分の力で歩いてるんじゃない。
人ごみに歩かされてる。
自分が行きたい方向じゃないのに、どうしようもなくなる。
信号が点滅を始めたけど、私は交差点の真ん中にも到達してない。
押して、押されて。
頭がぐるぐる。
誰か助けてくれー、と叫びたくなる。

最近、私の周りに農業に関わる人が増えてる気がする。
食に気をつける人も増えていく。
過疎化の進む村の民家に住んで、活性化を図る若い夫婦の話を読んだ。

お金や宗教は国境を見ない。
政治や環境は国境を作る。

2009年暮れ。